NEWS 2026.09.21

ChatGPTの広告が、クリックの先を「会話」にしました — 着地点がページでなくなると、何が要るのか

2026年9月17日、OpenAIが広告の新しい形を発表しました。広告をクリックすると企業のAIとの会話が始まる形式です。日本でもChatGPTへの出稿は始まっています。確認できたことと、まだ確認できないこと、そして自社で先に決めておくべきことを整理します。

ChatGPTの広告が、クリックの先を「会話」にしました — 着地点がページでなくなると、何が要るのか — AIマーケティング株式会社

広告をクリックした人が次に見るのは、これまで必ず「ページ」でした。2026年9月17日にOpenAIが出した発表は、そこに別の選択肢を置いています。クリックの先が、その企業が用意したAIとの会話になる、という形です。

一次情報はこちらです。

この記事の結論を先に書きます。 新しい広告枠が増えた、という話ではありません。変わったのは着地点です。 着地点がページから会話に移ると、成果を決めるのは「よく書けたページ」ではなく、 こちらが答えを持っているかどうかになります。そして、その準備は発表を待たずに今日から始められます。

先に、言葉を揃えます

言葉この記事での意味
ChatGPTの広告ChatGPTの画面に表示される広告のこと。回答そのものではなく、回答とは分けて表示される
スポンサード・エージェント今回発表された新しい形式。広告をクリックすると、その企業が用意したAIとの会話が始まる
ランディングページ広告から来た人が最初に着く、申し込み用のページ。ここでは「着地点」と呼びます
管理画面(Ads Manager)広告主が自分で広告を設定・確認するための画面。代理店を通さずに出稿できる
クリック課金広告が見られただけでは費用がかからず、クリックされたときに費用が発生する買い方
CRM顧客管理。誰がいつ何を見て、誰が対応したかを1か所に貯めておく台帳のこと
ベータ(試験提供)使える状態で公開されてはいるが、仕様が変わる前提の段階。正式提供とは区別して読む

発表で確認できたこと

公式ページから確認できた範囲だけを書きます。

クリックの先が会話になります。 ChatGPTに出た広告をクリックすると、その企業が用意したAIとの会話がその場で始まります。利用者は自分の事情を説明したり、追加で質問したりできます。納得した段階で、企業のサイトへのリンクをたどる流れです。広告であることは明示されるとされています。現時点では、米国の一部の広告主との試験提供です。

買い方と作り方も変わりました。 提携パートナー経由に加えて、広告主が自分で設定する管理画面がベータで使えます。クリック課金での入札と、成果を測る機能の拡充が示されています。広告そのものも、指示文を書いて作る形が用意されています。

日ごろ使う道具の中に入ってきました。 顧客管理の提携先としてHubSpotが最初に挙げられており、HubSpotの画面の中から広告の作成・成績の確認・問い合わせへの追客までできるとされています。Shopifyを使う店舗向けのアプリも用意され、ChatGPTの広告が提供されている国では2026年9月23日から順次使えるとされています。

規模についてOpenAIは、提供開始から200日たたずに年換算の売上規模が10億ドルに達し、広告主は数万社にのぼると説明しています。ただしこれはOpenAI自身が出した数字で、第三者が検証したものではありません

そして、日本の会社にとって重要な点をひとつ。ChatGPTへの広告出稿は、2026年8月11日から日本でも始まっています。 これは「いずれ来る海外の話」ではありません。

確認できていないこと

ここは正直に書きます。

  • スポンサード・エージェントが日本でいつ使えるか。 米国の一部広告主での試験提供という記述までしか公式にはありません。日本での提供時期は確定できません
  • どんな業種が使えるか。 広告の掲載には審査があり、健康や金融など規制のある分野には条件が付きます。自社が該当するかは、ヘルプセンターの記述を直接確認してください
  • 成果がどれくらい出るか。 会話型の着地点でどの程度申し込みにつながるのか、公開された実測は見当たりません。私たちも自社で試しておらず、語れる数字を持っていません

で、自社のマーケティングにどう効くのか

発表の要約は他にもいくらでも出ます。ここから先が、この記事で書きたかったところです。

1. 「言い切る力」より「答える力」が問われます

ページは、こちらが話したい順番で読ませる道具です。会話はそうなりません。相手は、こちらが用意していない順番で、用意していない質問をしてきます。「導入にどれくらいかかりますか」「うちの規模でも使えますか」「他社と何が違いますか」——営業の現場では毎日出ている質問が、最初の接点でいきなり来ます。

つまり、これまで商談の中で人が答えていた部分が、接点の側へ前倒しになります。準備すべきものは新しい広告予算ではなく、その質問への答えが、文章として自社のどこかに存在しているかです。

2. 答えが社内でばらついていると、そのまま表に出ます

会話の材料になるのは、自社が外に出している情報です。ここがサイト・資料・営業トークでばらついている会社は、AIに渡してもばらついたまま出てきます。人間の営業担当なら空気を読んで言い直せますが、機械は言い直しません。

情報を1つに揃える作業は、広告の話が来る前からやっておく価値があります。私たちが自社でその順番をどう踏んだかは、AIに自社名を聞くと事業内容が間違っているに書きました。

3. 任せる範囲の線は、これまでと同じ基準で引けます

指示文を書けば広告ができる、という部分に目が行きます。ただ、案を出すところが速くなっても、どれを出すかを決める仕事は残ります。私たちが自社の広告運用で「配信先と予算配分は任せ、広告文と良し悪しの判定は任せない」という線をどう引いているかは、Meta広告の「おまかせ設定」に、何を任せて何を任せないかにそのまま書いています。今回の発表で、この線の引き方を変える必要はないと私たちは考えています。

4. 問い合わせが来てからの速度が、より効いてきます

顧客管理の道具と広告がつながるということは、問い合わせが台帳に入るまでの手間が減るということです。ただし、入ったあとに誰がいつ返すかは、道具では決まりません。会話で温まった状態の人が、翌営業日まで放置されるなら、前段を速くした意味は薄れます。

今日やっておけること

発表を待たずに進められるものだけを挙げます。

  • よく来る質問を、答えごと書き出す。 商談で毎回聞かれることを10個ほど、口頭ではなく文章にする。これは会話型の広告に使う前に、営業資料としても効きます
  • 表記を揃える。 事業内容・対応範囲・料金の考え方が、サイトと資料と会社案内で食い違っていないかを見る
  • 断る条件を決めておく。 「こういう会社には向きません」を先に言えると、会話の質が上がります。合わない相手との商談が減るほうが、件数が増えるより利益に効きます
  • 返答の担当と時間を決める。 問い合わせが来てから誰が何分以内に返すかを、道具の話とは別に決めておく

まとめ

  • 2026年9月17日、OpenAIが広告の新しい形を発表した。クリックの先が、その企業のAIとの会話になる形式
  • スポンサード・エージェントは米国の一部広告主での試験提供。日本での提供時期は公式からは確定できない
  • ただしChatGPTへの広告出稿そのものは、2026年8月11日から日本でも始まっている
  • 着地点が会話になると、問われるのは「よく書けたページ」ではなく「質問に答えられる材料があるか」
  • 規模の数字はOpenAI自身の発表であり、第三者検証ではない。成果の実測はまだ公開されていない
  • 準備は発表を待たずにできる。よくある質問の答えを文章にし、表記を揃え、返答の担当を決めること

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本記事の内容は2026年9月時点のものです。

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