OpenAIの古いモデルが10月23日から順に止まります — 自社のツールが「裏で何を使っているか」を今週確かめる
OpenAIが、API経由で使える古いモデルの停止日を公表しています。10月23日にo4-miniなどが止まり、2027年1月14日にはGPT-4oとGPT-4o miniも外れます。ChatGPTの画面だけを使う会社には関係なく、外注したツールやチャットボットを持つ会社に効く話です。確かめる順番を整理します。
OpenAIが、API経由で使える古いモデルの停止日を公表しています。最初の停止は2026年10月23日、つまり今週の木曜日です。さらに10月14日には、GPT-4o と GPT-4o mini を2027年1月14日に外すという通知も出ました。
一次情報はこちらです。
- OpenAI 公式: Deprecations(停止予定のモデルの一覧)
- OpenAI ヘルプセンター: Retiring GPT-4o and other ChatGPT models
この記事の結論を先に書きます。 ChatGPTの画面で仕事をしているだけなら、今回の話は関係ありません。 関係があるのは、外注して作ったチャットボット、社内ツール、自動化の仕組みの中で、OpenAIのモデルが動いている会社です。 そういう仕組みは、作った人がいなくなったあとも動き続けていることが多く、止まって初めて気づきます。 今週やるべきことは、移行の検討ではなく**「どれが、どのモデルで動いているか」を一覧にすること**です。
先に、言葉を揃えます
| 言葉 | この記事での意味 |
|---|---|
| API | 自社のシステムやツールから、OpenAIのAIを直接呼び出すための窓口。ChatGPTの画面を通さずに、プログラムがAIに文章を送って答えを受け取る |
| モデル | AIの「頭脳」にあたるもの。GPT-4o、o4-mini のように名前と世代がある |
| 停止(シャットダウン) | その日以降、そのモデルを呼び出しても答えが返らなくなること。呼び出している側の仕組みは、そこでエラーになる |
| 微調整版(ファインチューニング) | 自社のデータで追加の学習をさせた、自社専用のモデル。元のモデルが止まると、これも一緒に止まる |
| 移行先 | OpenAIが「代わりにこれを使ってください」と案内しているモデル |
発表で確認できたこと
10月23日に止まるもの
公式の一覧で確認できた、10月23日に停止するおもなモデルです。
| 止まるモデル | 公式が案内する移行先 |
|---|---|
| o4-mini(微調整版を含む) | gpt-5.6-terra |
| o3-mini | gpt-5.6-sol |
| gpt-4o-2024-05-13(GPT-4oの初期の版) | gpt-5.6-sol |
| gpt-4-0613、微調整した gpt-4 / gpt-3.5-turbo / gpt-4.1-nano、babbage-002、davinci-002 | 一覧に個別の案内あり |
2027年1月14日に止まるもの
10月14日、OpenAIはGPT-4系の一部を使っている開発者に通知を出しました。GPT-4o、GPT-4o mini、GPT-4.1、GPT-4.1 mini を、2027年1月14日にAPIから外すという内容です。移行先として案内されているのは gpt-6-luna です。
ここが今回いちばん影響の大きいところだと私たちは見ています。GPT-4o mini は安くて速いので、問い合わせの自動返信、文章の分類、要約といった「量の多い下ごしらえ」に広く使われてきました。外注したツールの中身がこれ、というのは珍しくないはずです。
その間に止まるもの
o3 は2026年12月11日に停止すると、6月の時点で告知されています。
ChatGPTの画面は、別の話
ChatGPTの画面から選べるモデルは、すでに別の時期に入れ替わっています(GPT-4o と o4-mini は2026年2月13日にChatGPTから外れました)。公式のヘルプは、ChatGPT側の変更はAPIには影響しないと書いています。逆に言えば、APIの停止はChatGPTを見ていても気づけないということです。
確認できていないこと
- 音声の読み上げに使うモデルの停止日について、開発者向けのコミュニティで報告がありますが、公式の一覧では確認できませんでした。この記事では扱いません
- 移行先のモデルに切り替えたとき、同じ指示で同じ品質の答えが返るかどうかは、使い方によって変わります。一般論では判断できません
で、自社のマーケティングにどう効くのか
1. 止まるのは「AI」ではなく、AIにつながっている仕事
マーケティングの現場でOpenAIのAPIが使われていそうな場所を挙げます。
- サイトに置いたチャットボット(問い合わせの一次対応)
- フォームから届いた問い合わせを分類して、担当者に振り分ける仕組み
- 商品説明や広告文の下書きを、まとめて作る社内ツール
- Zapier・Make・n8n などの自動化ツールの中に置いた「AIで要約する」「AIで分類する」の手順
- MA(見込み客へのメール配信などを自動で回す道具)やCRM(顧客管理の道具)に、外部の開発会社が足したAIの機能
モデルが止まると、これらはエラーで止まるか、空の答えを返したまま動き続けます。 後者のほうが厄介です。問い合わせが誰にも振り分けられないまま数日たっていた、ということが起こりえます。
2. 「誰が知っているか」が、いちばんの問題になる
自社で作った仕組みなら、作った人に聞けば済みます。難しいのは次のような場合です。
- 外注して作り、保守の契約をしていない
- 作った担当者が異動・退職している
- 自動化ツールの手順を、現場の人が見よう見まねで組んだ
こういう仕組みは、どのモデルを呼んでいるかを誰も覚えていません。今回の停止は、AIを使った仕組みの「持ち主」が社内にいるかどうかを確かめる機会でもあります。
3. 移行は「名前を書き換えるだけ」とは限らない
移行先が案内されているので、呼び出すモデルの名前を書き換えれば動く場合は多いはずです。ただし、新しいモデルは答え方の癖が違います。答えの形式を細かく決めて、その形式を前提に後ろの処理を組んでいる仕組みでは、名前を変えただけで後ろが崩れることがあります。
私たちも自社でAIエージェントを動かしていますが、モデルを切り替えるときは、普段流している実際の入力をいくつか通して、答えを人が見比べてから切り替えるようにしています。ここを飛ばすと、止まらないかわりに「静かに質が落ちる」ことになります。
4. 外注先に聞くときは、聞き方を決めておく
「大丈夫ですか」と聞くと「大丈夫です」と返ってきます。聞くべきことは次の3つです。
- この仕組みは、どのモデルを、どの名前で呼んでいますか
- それは公式の停止一覧に載っていますか。載っているなら、停止日はいつですか
- 切り替えるなら、誰が、いつ、どうやって答えの質を確かめますか
3つ目に具体的な答えが返ってこないなら、切り替え後の確認は自社で持つつもりでいたほうが安全です。
今日やっておけること
| 順番 | やること | 誰がやるか |
|---|---|---|
| 1 | AIが動いている仕組みを一覧にする(チャットボット、自動化、社内ツール) | マーケティング担当 |
| 2 | それぞれ、どのモデルを呼んでいるかを確かめる | 作った人、外注先、情報システム担当 |
| 3 | 公式の停止一覧と照らし、10月23日・12月11日・2027年1月14日のどれに当たるかを書き込む | マーケティング担当 |
| 4 | 10月23日に当たるものは、今週中に切り替えるか、止まったときの手作業での代わりを決める | 持ち主 |
| 5 | 2027年1月14日に当たるものは、年内に実際の入力で試す日を決める | 持ち主 |
一覧に「持ち主がいない」と書く行が出てきたら、それがいちばんの成果です。モデルの停止はこれからも続くので、次の停止のときに同じ手間をかけずに済みます。
まとめ
- OpenAIのAPIで、古いモデルが10月23日から順に止まる。GPT-4o と GPT-4o mini は2027年1月14日
- ChatGPTの画面だけを使う会社には関係ない。APIでつないだチャットボット、自動化、社内ツールに効く
- 止まるとエラーになるか、空の答えのまま動き続ける。後者は気づきにくい
- 移行先は案内されているが、名前を書き換えるだけで済むとは限らない。実際の入力で答えを見比べてから切り替える
- 今週やるのは移行の検討ではなく、「どれが、どのモデルで動いていて、誰が持ち主か」の一覧づくり
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本記事の内容は2026年10月時点のものです。
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