なぜ自社サイトをAIで作り直したのか — 費用と手作業をやめて、更新が止まらない形にした
Wixに3年で138,600円払いながら、更新は止まっていました。自社サイトをAIエージェントで動かせる形に作り直した2つの理由と、作り直して何が変わったか、広告を出していない状態で公開2週間に何が起きたかを、専門用語をかみ砕いて書きます。
2026年8月16日、私たちは自社サイトを作り直しました。それまではWixというサービスで運用していたものを、AIエージェントが動かせる形に置き換えています。
この記事では、なぜ作り直したのか、作り直して何が変わったのか、そして公開してから2週間で何が起きたのかを書きます。用語はできるだけかみ砕いて書きます。 数字の話が出てきますが、Web解析の言葉を知らなくても読めるようにしました。
理由その1 — 3年で138,600円払っていた
Wixのようなサイト作成サービスは、契約している限り料金が発生します。金額を出します。
| 払っていたもの | 金額 |
|---|---|
| サイトのプラン | 2年契約で50,160円(年あたり25,080円) |
| 会社のメールアドレス | 年21,120円 |
| 3年ぶんの合計 | 138,600円 |
しかもこの料金は上がっています。サイトのプランは2025年5月に29,040円から50,160円へ改定されました(いずれも2年ぶんの金額)。メールも2024年は17,952円でした。使い方は何も変えていないのに、料金だけが上がっていくという形です。
ひとつ正確に書いておきます。メールのぶんは、Wixをやめても消えません。 Wixを経由して契約していたものを、Googleと直接契約する形に移しただけで、支払い先が変わっただけです。Wixをやめて実際になくなったのは、サイトのプランのぶん(3年で75,240円)です。
金額そのものは、会社の支出として飛び抜けて大きいわけではありません。問題は、その金額に対してサイトが何も生んでいない期間が長かったことです。払い続けているのに、更新は止まっていました。そして更新が止まっていた理由が、2つ目です。
理由その2 — 更新がほぼ手作業だった
記事を1本出すのに、こういう手順を踏んでいました。
- 原稿を書く
- 管理画面を開く
- 貼り付けて、見出しや装飾を整える
- 公開ボタンを押す
一見すると大した手間ではありません。しかしこの工程は、人が最初から最後まで座っていないと1ミリも進みません。 途中でAIに任せられる箇所がない。正確に言えば、原稿を書くところはAIに手伝わせることができても、出力先につながっていないので、結局は人がコピーして貼り付けることになります。
コピーして貼り付ける作業が残っているうちは、自動化されたとは言えません。ここが残っていると、忙しい週は更新が飛びます。飛んだ週が続くと、更新は止まります。実際、止まりました。
作り直して何を変えたのか
新しいサイトでは、記事の置き場所をファイルにしました。 管理画面に貼り付けるのではなく、決められた場所にテキストのファイルを1つ置くと、それがそのまま記事のページになります。
この違いが大きい。ファイルなら、AIが直接置けるからです。
いまはこういう流れになっています。
| 工程 | 誰がやるか |
|---|---|
| 何を書くかを決める | あらかじめ用意した一覧から順番に選ばれる |
| 本文を書く | AI |
| 事実確認(数字の裏取り) | 機械が自動でチェック |
| 公開 | 一定期間置いてから自動で公開 |
| 止める | 人(止めたいときだけ手を動かす) |
人が手を動かすのは、止めたいときだけです。 何もしなければ記事は増えます。以前とは逆で、以前は「手を動かさないと止まる」でした。
事実確認の部分は少し補足します。AIに書かせるとき、いちばん危ないのはもっともらしい嘘の数字です。会社名で出している以上、間違えると信用が直接減ります。そこで「使ってよい数字の一覧」を機械に持たせ、そこに無い数字を書いた記事は公開されないようにしました。この記事に出てくる数字も、すべてその一覧を通っています。
ついでに書いておくと、この記事自体もその流れで作られています。 説明のために用意した仕組みではありません。
公開してから2週間で何が起きたか
ここからが数字の話です。用語を先に説明します。
- 訪問(セッション) … サイトに人が来た回数。同じ人が日を空けて2回来れば2回と数えます
- 人数(ユーザー) … 実際に来た人の数。訪問より少なくなります
- 検索から … Googleなどで検索して来た人
- 参照元が分からない … どこから来たか記録が残っていないアクセス。ブックマークや直接入力のほか、人ではないプログラムのアクセスもここに入ります
そのうえで、公開日の2026年8月16日から8月29日までに記録されたものです。
| 項目 | 値 | 意味 |
|---|---|---|
| 72セッション | のべ訪問回数 | 同じ人の再訪も含む |
| 59ユーザー | 実際に来た人数 | — |
| 60セッション | 参照元が分からないアクセス | 大半は人ではない(後述) |
| 9件 | 検索から来た訪問 | Google・Yahoo・Bing |
| 1件 | AIの案内から来た訪問 | ChatGPT経由 |
| 1件 | 資料請求(リード) | 問い合わせにつながる申し込み |
「参照元が分からない」の大半は人ではなかった
数の上ではここが最も多いのですが、中身を開けると海外のデータセンターからの単発アクセスがほとんどでした。1ページだけ触ってすぐ消える、人の閲覧とは考えにくい動きです。公開直後のサイトには、こうした自動巡回のアクセスがよく来ます。
これを除くと、外から人が来ているのは1日あたり数件という規模です。
ここは正直に書いておきたいところで、アクセス数を成果として報告すると、公開直後は必ず判断を間違えます。 数の大半が人ではないからです。
何もしていない状態で、資料請求が1件入った
そのうえで、2026年8月29日に資料請求が1件入りました。経路はこうです。
- Googleの検索からトップページに来た
- サイトの中を複数ページ読み進めた
- 資料請求のフォームから申し込んだ
広告は出していません。SNSでの告知もしていません。知り合いに紹介も頼んでいません。記事も3本しか置いていない状態です。
数としては1件です。少ないと言われれば、そのとおりです。それでも私たちはこの1件を有望だと見ています。 理由は数の大きさではなく、この1件が出てきた条件のほうにあります。
いまの状態は、施策を何も積んでいない下限です。ここから下がることは考えにくい。その下限がゼロではなかった、というのが今回いちばん大きい事実です。
ゼロと1件では、次に考えることがまったく変わります。ゼロなら「そもそもこの商売を検索から探す人はいるのか」というところから確かめ直すことになる。1件あるなら、その問いは終わっていて、次は「増やせるか」に移れます。
しかも、トップページで離脱せず、複数ページを読んでから申し込んでいます。 たまたまボタンを押した1件ではなく、読んで判断した1件です。法人向けの検討としては、この形のほうが後につながります。
ひとつだけ、自分たちに課していることがあります。この1件を割合に直さないことです。 検索から来た9件のうち1件だから何パーセント、という言い方はしません。母数が小さすぎて、次の1件があるかないかで数字が大きく振れるからです。1件を有望だと判断することと、割合にして大きく見せることは別のことです。
これから何をするか
作り直しの目的は、費用を減らすことそのものではありませんでした。更新が止まらない形にすることです。 止まらなければ、検索から人が来る量は積み上がります。積み上がらなければ、この1件は1件のままで終わります。
そこで、これからはこうします。
- 記事を毎週1本ずつ増やす。 AIが書き、機械が数字を確認し、一定期間置いてから自動で公開する
- 止めるときだけ人が手を動かす。 内容がおかしければ止められる状態は残す
- 同じ形で毎月測る。 検索から何件来て、そのうち何件が資料請求まで進んだか。割合ではなく件数で並べる
- AI経由の流入も最初から数える。 いまは1件ですが、増えるのか増えないのかは測り続けないと分かりません
作り直したこと自体は、まだ成果ではありません。成果になるのは、これが1年続いたときです。 続けられる形にしたことが、今回やったことの中身です。
まとめ
- Wixをやめた理由は2つ。3年で138,600円払い続けていたことと、更新がほぼ手作業だったこと
- ただしメールのぶん(3年で63,360円)はGoogle直接契約に移しただけで消えていない。なくなったのはサイトのプランのぶん
- 手作業が残っていると、忙しい週に更新が飛び、やがて止まる。実際に止まった
- 作り直して、記事の置き場所をファイルにした。ファイルならAIが直接置ける
- いまは「手を動かさないと止まる」から「止めないと出る」に逆転している
- 公開2週間、広告ゼロ、記事3本の状態で資料請求が1件。数は小さいが、下限がゼロでなかったことが大きい
- ただし割合には直さない。有望だと判断することと、大きく見せることは別
- これからは毎週1本ずつ増やし、同じ形で毎月測る
エージェントをどの工程に置いているかの全内訳はマーケティングを4工程に分け、AIエージェントを配置するで公開しています。何から始めるかはAIエージェントをマーケティングに導入する完全ガイドに、AI経由の流入をどう測るかはSEOとGEOの違い — 2026年、何から始めるべきかにまとめました。
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本記事の内容は2026年8月時点のものです。
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